月別アーカイブ: 2016年6月

子供の視点 大人の視点

子供の視点 大人の視点 子供の頃の時間はゆっくり流れる。
大人になると時間はたちまち経過する、なぜだろう。
これに対し、ある脳科学者は次のように答えました。
「周りの世界が見慣れたものになってくると、時間が速く過ぎ去っていくように感じられるから」。
見るものすべてが新鮮な子供と大人の感覚とは大きく違うということなのでしょう。
そうでなくとも、よりためになることを、より早く、より効率的にという世の中の流れは、
とどまるところをしりません。
時には、先入観のない子供の視点でもって、物事を見る、考えるということも
大事だということなのだと思います。
女性最年少で中原中也賞を受賞した詩人が次のように語っていたのが印象的でした。
「9歳のとき、阪神淡路大震災でしばらく避難所で暮らしていました。
そこで、おじいちゃんたちが青空の下で将棋を教えてくれたんです。
お腹が満たされたわけでもないし、その後、何かに役立ったわけでもない。
でも、ひととき笑顔になれて、心を満たされた。
人間って、そういう時間も必要なんじゃないでしょうか。
役に立つものだけでは生きていけないんだということを教わりました。
青春時代なんて、振り返ればムダだなあと思う時間ばかり。
でも、人は、そういう時間でつくられていくんです」。
この「ムダ」という言葉を「ゆとり」や「やすらぎ」という言葉に置き換えても
いいのではないかと思います。
住まいを提供する者として、これらの言葉の意味するところを、
もっともっと深めていきたいと考えています。