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不便は手間だが役に立つ

勤勉なアリだけの集団と怠け者が混じったアリの集団を比べると、
後者のほうが長く生き延びるそうです。
皆が一斉に働く集団は一斉に疲れはて壊滅してしまいますが、
ー方、普段さぼっているアリは仲間が疲れて休むと代わりに働き
卵の世話などもし、長期的には有用な働きをするのだそうです。
昆虫に限らず、人間の集団もまた、短期的効率ばかりを求めすぎると、
長期的な視点にたてばダメージになるということでもあるのでしょう。

「効率よく、より速くより便利に」は長らく社会の価値観の基軸になってきましたが、
ここにきて、世の中の多くの人々は、便利さの陰で失っているものの大きさを
感じ始めているのではないでしょうか。

聞くところによると、京都大学内に「不便益システム研究所」という機関があり、
「不便」であることから得られる「益」を本格的に研究されているそうです。

いわく「不便は手間だが、役に立つ」。
例えば、入力すれば目的地に間違いなく行けるカーナビですが、
ナビに頼らずに行くことで、時に道に迷って思いもしなかった
名所に巡り合ったり、他人の情けを知ったり。
「不便益」は自分だけの体験、思い出深い旅行につながることができ、
工夫したり、発見したり、上達したり、自分だけ感を持てたり、
様々なメリットを生み出すとしています。
たしかに、人生の豊かさは、どれだけワクワク感、ドキドキ感が
持てるかということ。「不便」だからこそ、「不確実」だからこそ、
そういうものに出会い、ふれあうことができるのかもしれません。

初心忘れるべからず

『ウサギとカメ』のイソップ童話はよく知られているところです。
どちらが早く目的地に到着するか、両者が競い合い、負けるはずのないウサギが油断して、
途中で昼寝をして負けてしまいます。
己を過信して怠れば失敗する、あきらめずに努力すれば報われるとの教えです。

誰がつくったかわかりませんが、その勝ったカメにまつわる続編の話があります。
カメは「なんでもやればできるんだ」と目覚め、いろんなことに挑戦しようとします。
空を飛びたいと考えたカメは、ある日、ワシに空高く飛んでほしいと頼みました。
ワシはカメをつかんで高い場所に飛んでいき、そこからカメを落としたので、カメは地面に激突し砕け散ってしまったという、ちょっとしたブラックストーリーですが、 カメもまた、自らを過信し慢心した結果といえるでしょう。
日本の伝統芸能である「能」を大成した世阿弥の有名な言葉に 「初心忘れるべからず」があります。
カメはウサギに勝ったことで、「初心」の謙虚さを忘れてしまいまし た。自ら墓穴を掘るというのは往々にしてありがちなことです。肝に銘じておきたいと思います。

 

「歳神(としがみ)様」を迎える日

2017年は酉年です。1年の最初の日、1月1日元旦には、古来より、すべてのものに命を与えてくれる「歳神(としがみ)様」をおまつりするための特別な行事が行われてきました。
神様が迷わず家に来てくれるように、目印として門松や松飾りを用意しました。
家の中ではお神酒やお供え物を飾り、その後それを下げて宴を催し家族と話し合いながらいただきます。
これを「としとり」といって、神様を迎える作法の一つになっていました。

こうした正月の行事もだんだん簡略化がすすんできて、一般家庭での門松もめったに見られなくなり、おせち料理もすべてではないにしろ、デパート等の“できあい”を利用するのが普通になってきています。

近年でもなお盛んなのは初詣くらいでしょうか。もっともこの初詣、古来からの伝統的なしきたりではなく、明治の後年にできた比較的新しい習慣です。経済的に苦しい神社側と新興の鉄道会社が企画した双方に利益をもたらす一石二鳥のアイディアでしたが、日本のお正月行事としてすっかり定着しました。

いずれにしても、1年の始まりは、やはり少しは襟を正して、
家族や友人たちの健康と幸せを静かに祈りたい日。
皆さま、よい年をお迎えください。

 

あなたは今、幸せですか

「あなたは今、幸せですか」と問われたら、あなたはどう答えますか。
幸福感を持っている人に共通する内的な特徴は4つあるといわれます。
①自分自身のことが好きであること、
②主体的に生きているという感覚を持っていること、
③楽観的であること、
④外交的であること、だそうです。

幸福感に関する実験法が 2 つあって、それぞれグループに別れ、記録をとっていきます。「感謝介入法」と言われる実験では、 3 つのグループに分かれ、
①グループは「1週間のうちに感謝したこと」
②グループは「面倒に思えたこと」、
③グループは「起こった出来事」を 9週間記録してもらうと、
満足度が最も高かったのは、①の感謝したことを記録し続けたグループ で、健康状態も良好だったそうです。

いま1つの「親切介入法」と言われる実験では2つのグループに分かれ、
①グループでは、誰かに親切を行って、そのことを記録するようにする 。
②グループでは特に親切することなく記録します。
結果、1ヶ月前と1ヶ月後の幸福感を調査したところ、①の親切を行って記録したグループのほうが幸福感が高かったそうです。

幸せになりたいなら、身の回りに起こったことに感謝すること、まず家族や同僚など、身近な人々に対して優しく親切であることから、はじめなければならないということなのでしょう。
確かなことは、幸せでありたいと考えるなら、自分の不幸を決して人に話さないことです。不幸や不平不満を話せば、自分自身が憂鬱になるだけでなく、相手の気持ちも暗くさせてしまいます。相手は思いやりの言葉をかけてくれるかもしれませんが、本音のところで言えば居心地がいいわけがなく、憂鬱な気持ちを感染させてしまうことになります。
人は、やはり、どんな時にも希望を失うことなく、明る<前向きな人と会ったり話したりすることを願っているものです。

 

子供の視点 大人の視点

子供の視点 大人の視点 子供の頃の時間はゆっくり流れる。
大人になると時間はたちまち経過する、なぜだろう。
これに対し、ある脳科学者は次のように答えました。
「周りの世界が見慣れたものになってくると、時間が速く過ぎ去っていくように感じられるから」。
見るものすべてが新鮮な子供と大人の感覚とは大きく違うということなのでしょう。
そうでなくとも、よりためになることを、より早く、より効率的にという世の中の流れは、
とどまるところをしりません。
時には、先入観のない子供の視点でもって、物事を見る、考えるということも
大事だということなのだと思います。
女性最年少で中原中也賞を受賞した詩人が次のように語っていたのが印象的でした。
「9歳のとき、阪神淡路大震災でしばらく避難所で暮らしていました。
そこで、おじいちゃんたちが青空の下で将棋を教えてくれたんです。
お腹が満たされたわけでもないし、その後、何かに役立ったわけでもない。
でも、ひととき笑顔になれて、心を満たされた。
人間って、そういう時間も必要なんじゃないでしょうか。
役に立つものだけでは生きていけないんだということを教わりました。
青春時代なんて、振り返ればムダだなあと思う時間ばかり。
でも、人は、そういう時間でつくられていくんです」。
この「ムダ」という言葉を「ゆとり」や「やすらぎ」という言葉に置き換えても
いいのではないかと思います。
住まいを提供する者として、これらの言葉の意味するところを、
もっともっと深めていきたいと考えています。

 

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